GOZKI MEZKI

@sophizm の上から涙目線

Dropboxとかって著作権的には完全にシロだと思ってた。

0,導入

インターネットのクラウドがもてはやされるようになって久しい。DropboxやOneDrive、SugarSyncといったオンラインストレージサービスが欠かせない人も少なくないだろうし、iPhoneを使っている人はiCloudに写真やさまざまなデータを預けている人も多くいるだろう。これらクラウドサービスについて著作権法上の問題点を検討する審議会が去年の7月から数度にわたって開かれていた。



1,ロッカー型クラウドサービスに関する検討

その審議会の名前は「著作権分科会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会」。特にロッカー型クラウドサービスに関する検討が重点的に行われていたようだ*1

そこではロッカー型のクラウドサービスについて4つの分類をしてそれぞれに著作権法上どういった問題があるのか検討されていたと聞く。





このうち、Dropboxなどのオンラインストレージはタイプ2の「プライベート/ユーザーアップロード型」になる。


2,プライベートで使うロッカーサービスに問題なんて……

そもそもDropboxなんかの個人的に使うためのプライベートなクラウドロッカーサービスに著作権法上の解決すべき問題点なんて存在しないと思っていた。考えうる抵触しそうな著作権法上の権利は

あたりかなと思う。

アップロードに関わりそうなのはローカルからサーバへの複製(複製権)とサーバにファイルを置く送信可能化(公衆送信権)、ダウンロードに関わりそうなのはサーバからローカルへの複製(複製権)と自動公衆送信(公衆送信権)なのだが、これらについては著作権法的に完全にクリアだと私は判断していた。

まず公衆送信に関わる自動公衆送信と送信可能化は、文字通り「公衆」についての権利だ。公衆とは、不特定または多数を指すのが通説で、ある著作物を使う行為が個人的なものであるなら特定かつ少数なので「公衆」には当たらない*2。よって、公衆送信に関しては著作権法上問題ないでしょ、と思うわけです*3

一方で、複製については小難しいことを考える必要がない。プライベートな複製行為なのだから、まさに「個人的に又は家庭内そのたこれに準ずる限られた範囲内において使用すること」なので、私的複製で完全にセーフだ。セーフだ。




ちがうのか!


3,私的複製には当たらない……かも?

上に書いた審議会のやり取りを見るまでは完全にセーフだと思っていたし、そうだと完全に信じきっていた。あまりにも単純にど真ん中で私的複製に見えたので、著作権的に問題があるわけないだろうと思い込んでいた。

思いがけない条文を見逃していたようだ。

第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

著作権法

こういう単純なものを見逃していたことを記事にするのは大変恥ずかしいのだが、読み逃しがちな条文に足を取られてしまった。30条1項1号は派手なタイプの条文じゃなかったので思い至らなかった。恥ずかしい。

確かに、確かに、だ。確かに、送信は公衆に対してなされているものではないけれど、クラウドロッカーサービスで使われているサーバ自体はまさしく「公衆の使用に供することを目的として設置されている」装置に相違ない。なので、サーバを介してなされる複製行為は私的複製による権利制限の例外事由にあたり、私的複製ではない、という結論になってしまう。

いやぁ、知らなかった。これを知ったときホントに

(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)

ってなりましたよ。


4,審議会での結論

このタイプ2について、審議会ではどういうまとめがなされているか。

ロッカー型クラウドサービスにおけるサーバーが公衆用設置自動複製機器に該当するか否かについては,[1]該当するとの見解,[2]該当しないとの見解がそれぞれ示された。

権利者からは,[1]該当するとの立場から,公衆用設置自動複製機器を用いた複製について権利者の許諾が必要とされているのは,第三者の関与と当該第三者が利益を享受しているという観点が重視されているのであって,ロッカー型クラウドサービスにおけるサーバーも同様の観点から,公衆用設置自動複製機器に当たらないという整理でいいかは疑問である,との意見が示された。

こうした意見に対して,有識者からは,以下の意見等,[2]該当しないとの立場からの意見が示された。

  • 公衆用設置自動複製機器を用いた私的使用目的の複製を権利制限の対象としないこととした趣旨は,立法当時,高速ダビング機器等が,業者がコピーする代わりに利用者にさせるという一種の法律回避のために利用されていたため,そうした事態に対処するものであり,クラウド上のサーバーは想定されていなかった。
  • ロッカー型クラウドサービスにおけるサーバーで行われる複製は,家庭内にあるハードディスクの延長線上にあるものであると考えれば,家庭内での複製とある程度等価ととらえることができるため,高速ダビング機器の場合とは事情が異なるのではないか。

文化審議会著作権分科会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会 クラウドサービス等と著作権に関する報告書(案)

と両論併記しつつ

以上のように,タイプ2の枠内で行われる利用行為については,基本的には,利用行為主体は利用者であり,当該利用者が行う著作物の複製行為は,私的使用目的の複製(第30条第1項)であると整理することができ,権利者の許諾を得ることは特段不要であるとの意見が示された。

文化審議会著作権分科会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会 クラウドサービス等と著作権に関する報告書(案)

以上の議論等を踏まえた結果,現時点においては,タイプ2について,権利制限規定の創設等,法改正を伴う制度整備を行う必要性は認められなかった

文化審議会著作権分科会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会 クラウドサービス等と著作権に関する報告書(案)

と結論付けている。よく分からん。

文面通り受け取れば許諾なければ違法だけど、権利制限や法改正されるのも面倒だから見なかったことにしよう、ってことかな。よく分からん。


5,ちなみにコンビニのコピー機は

公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器といえば、コンビニや図書館*4やらに設置されているコピー機はどうなのか、というところが気になる人もいるかもしれない。書籍をコピーするとき、私的複製だからセーフだと思っていたのに、みんなが使えるコピー機でコピーとると1項1号に当たって違法になっちゃうのでは、という懸念。

これに関しては、セーフです。

著作権法の附則に

(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二  著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

という規定があるので、コピー機でコピーをとる分については引き続き私的複製として問題なくすることができますね。

ひるがえって、クラウドロッカーサービスでも問題になるのは文書と図画以外ということ。つまり、音楽や映画、プログラムなんかがもっぱら問題になるのね。

*1:詳しくは12月に出された報告書に:http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hogoriyo/h26_09/pdf/shiryo_1.pdf

*2:この点、まねきTV最高裁判決の射程が問題になるが、汎用型のサービスには及ばない(と信じたい)

*3:自動公衆送信はサービス提供者の行為なのでユーザの行為として問題にされることは考えなくてもいいかなとも思っている

*4:2015年7月1日削除

恨むなら著作権法を恨め。JASRACじゃなく、法律を。

という記事を書こうと思っていた。


私は現在の日本に著作権法に不満がある。

だから著作権法を勉強したりした。

不満があるからこそ、その不満の根はどこにあるのか、その不満は正当なのか。学がなければ問題意識も持てない。そうして聞きかじった知識で少しばかり分かってきたことは

JASRACは悪の組織じゃない

ということ。もちろん、細かいところでは問題がある。法律の解釈にむちゃくちゃな理屈を持ち込んで、しかもそれを裁判上で認めさせてしまったり、実務上の合理的判断から100%公平な運営ができなかったり、そういう細かい問題は無数にあるが、いずれもテクニカルで実務的な論点で、一般に分かりやすく「ザ・悪」みたいなことはそう多くないようだ、と印象を持った。異論、反論が山のように飛んできそうだけど。。。

JASRAC著作権法に従って活動している。

著作権法が定め、司法が認めた範囲でしか活動していない。法律の範囲を超えて暴利を貪っているわけではない。もし、JASRACがしていることに反感があるのなら、それはJASRACが悪いんじゃなくて著作権法がそうなっているのが悪いはずだ。逆に、著作権法がそうなっているとしても細かい部分は見逃してくれよ、という気持ちももちろん分からなくもない。しかしそうすると、JASRACに預けている著作権者、権利者が本来もらうべき利益を損なってしまい、そちらのほうが問題だ。端数の10円くらいもらわなくてもいいかなってバイトのレジが勝手に判断したら怒られるように。

JASRACがゴネるから日本ではサービスが開始できない、というのも間違っている。著作権管理団体には「応諾義務」というのがあり、許諾を求められれば必ず許諾しなければならない義務が法律上課せられている。なので、この音楽を使わせてくれと言われれば、JASRACは許諾する。もし、日本で開始されない音楽サービスがあったとしたら、それはJASRACの問題ではなく、著作支分権の問題ではなく、他の権利の権利者の問題だと思ったほうがいい。


JASRACが何らかの強行な手段に出た場合、必ず出てくる「カスラック」論も的外れだ。先日もこんなニュースがあった。

JASRACはBGMを利用していながら音楽著作権の手続きが済んでいない全国の171事業者、258施設(美容室、理容店、アパレル店、飲食店他)に対し、民事調停を全国の簡易裁判所に申し立てました。
全国各地に所在するJASRACの15支部が一斉に法的措置を行うのは、初めてです。BGMを流す施設の著作権管理を開始した2002年当時は、ほとんどの施設が業務用BGMを利用していました。業務用BGMの場合、音源を提供している日本BGM協会及び全国有線音楽放送協会加盟社などが施設に代わってJASRAC著作権の手続きを行っていたことから、適法に利用されていました。
ところが、ここ数年、BGMの音源が多様化(市販のCD、携帯音楽プレーヤー、パソコン、インターネットラジオ等)してきました。こうしたBGMの利用については、利用する施設ごとに個別に著作権の手続きを行っていただく必要がありますが、いまだに手続きが行われていない施設が多く存在しています。
BGMの著作権管理については、管理開始以降、継続して取り組んでいますが、繰り返しの催告にもかかわらず、手続きに応じない施設に対し民事調停の申立てを行いました。
JASRAC:プレスリリース「BGMを利用する全国258施設(171事業者)を一斉に法的措置」

ネットでは、自分でお金を払って買った音楽なのに自由に使えないなんておかしい!という声をよく見た。私もそう思う。自分がお金出して自分のものにしたCDをどう使おうが自分の勝手だろ!という気持ちはすごく分かる。なんで買った音楽を使うときにもう一度お金払わなきゃいけないんだ、と。自分のものは自由に使っていいだろ、と。完全に同意と言わざるを得ない。

しかし著作権法はそれを認めていない。

著作権法がそれを認めていない以上、著作権を預かるJASRACがその違法行為を見逃すのは業務上の信義に悖る。違法状態を放置し、本来得られるべき利益を損なうことは、JASRACがではなく、作詞家や作曲者や著作権者の利益を失することになる。


だから、恨むなら著作権法を恨め。JASRACじゃなく、法律を。と思っていた。そういう記事を書いてもいいと思っていた。

しかし、今日の別のニュースを見て、私はただただ憤りを感じている。それがこれだ。

USENレコチョクは6月15日、店舗用BGM配信サービス「OTORAKU−音・楽−」を発表した。月額3780円(税別)でサービス内に用意されたプレイリストを再生できるというもので、iPad向けアプリ(iOS 8.1以上)として個人事業主を含む法人向けに7月からサービスを提供する。

最近では、BGMを利用していながら音楽著作権の手続きが済んでいないとして、日本音楽著作権協会JASRAC)が6月9日に全国の171事業者・258施設に対して全国の簡易裁判所に民事調停を申し立てを行ったことが記憶に新しい。JASRACは2002年からBGMを流す施設の著作権管理を開始しており、業務用BGMとして音源を利用する場合は店舗ごとに著作権の手続きが必要になる。こうした流れを受け、宇野会長は「各店舗のイメージに合った楽曲を安全に使って空間作りに生かしてほしい」と話す。
違法BGM利用店舗は46万件:「合法的に店で音楽を流せる」 USENとレコチョクがiPad向けに店舗用BGM配信アプリ「OTORAKU」を提供 - ITmedia LifeStyle

タイミングが良すぎる。なんだこれは。JASRACが全国の171事業者、258施設を簡易裁判所に訴えたのが6月9日、USENレコチョクの発表が1週間も経たない6月15日。まるで狙いすましたようなタイミング。まるで見計らったようなタイミング。まるで口裏を合わせていたかのようなタイミング。

ふざけるなと。

いや、見計らったり口裏を合わせていたなんて確証はない。だから、もしも見計らったり口裏を合わせていたとしたら、ふざけるなと言いたい。もしもそうだとしたら、訴訟提起という社会的に暴力性の高い行為に出たのが、新規サービス開始を見越してのことだったとしたら、恫喝的に新規サービスへ誘導しているように見えてしまう。ある意味、新規サービスの広告を訴訟という強硬な手段によって成しているように感じてしまう。訴えられた258施設は生贄じゃないか。258の生贄を墓地に埋葬して新規サービスを召喚ってか?ふざけてる。

福井健策先生は朝日新聞の取材に対して

「啓発や世間へのアピール効果を考えてのことだろう」
無断でBGMダメ! JASRAC法的措置に店は困惑:朝日新聞デジタル

とコメントしている。確かに世間へのアピール効果は絶大かもしれない。

それにしてもしかし、JASRACはいちサービスに対して便宜を図ったと世間に捉えられかねないことをして、大丈夫なのだろうか。


【追記】

長谷川豊さんの著作権の話

こんな記事が出ていたので取りあえず……。一応、著作権の資格は持ってないけど、人間として、解説だけしときます。参考までに。

堀江さんの著作権の話

堀江貴文さんが近畿大学で自身の行ったスピーチが全文書き起こされて憤慨してることについて、長谷川豊さんが著作権の解説をしてるんですよね。わずか54行のブログ記事なのに、ため息なしには読み続けられない内容なんです。
ここでポイントは長谷川豊さんが明かしているんですが…

・スピーチの著作物性
・引用の成否
著作者人格権の侵害

とかいろいろそれっぽいこと記しているんですが…いやいやいやいや(苦笑)。これはちょっと認識が全然間違っていましてですね……

●今回の説明は単に完全にダウトです
まず、皆さんもちょっと意外な感じがするかもしれないんですが、著作権法の2条の18項ってのがありま……せん。著作権法の第2条は9項までしかないので、長谷川豊さんが見ている著作権法は日本の著作権法ではない可能性がありますね。著作権法第2条の第1項には18号があって、そこには「口述」の定義が書いてあるため、長谷川豊さんの書いていることに類似していますが、そのことなのかどうか著作権の資格を持たない私にはちょっと判断が難しいです。

で、著作権法第2条第1項第18号には

「講演会とかで話した内容=著作物」

なんて書いてません。条文にはこうあります。

口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。

ここにあるのは「口述」の著作権法上の定義で、著作物の内容に講演会とかで話した内容が含まれると明記するものではないはずです。そもそも「著作物を口頭で伝達すること」が「著作物」の定義だとすると、トートロジーじゃないですかー。

「口述」とは行為態様で、著作物とはあくまで

思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

という第2条第1項第1号の規定に集約され、それ以上でもそれ以下でもそれ以外でもないです。つまり、堀江さんのスピーチが著作物かどうかは講演会で話した内容であるかないかではなく、単純に話されたスピーチの内容が「著作物」の定義に合致するかしないかでしかないです。

「講演会とかで話した内容=著作物」なのは、堀江さんのスピーチが思想又は感情を創作的に表現したものに他ならないからです。

なぜ長谷川豊さんが、著作物に当たるか当たらないかの判断で著作物の定義ではなく、著作物の例示を書いた10条でもなく、アレを示したのか、不思議です。

ちなみに、「報酬を得た上で発している言葉」かどうかは著作物の成否に全く関係無いですね。

●以下、気になるところを列挙

堀江さんが著作権者に該当しますので、堀江さんに「公表権(=18条)」や「公衆送信権(=23条)」っていう権利があるんです

公表権は著作権ではなく「著作者人格権」です。堀江さんに公表権があるのは著作権者だからじゃなくて、著作者だからです。

・個人的に使う=これはですね、全く問題ないです。個人的であればね。著作権法30条に書いてあるんですけれど、何の利益目的でも何でもない場合は、許可はとらなくても問題ない

趣旨としては誤ってないとは思うんです。ただ、私的使用に利益目的かどうかは直接的には関係ないです。多くの場合、利益目的での複製が私的使用になることはないと思いますが。

32条に記載されている「引用」っていう条項が該当するんです。報道や批評のために、あくまで「参考」として活用する場合は認められます。これらの場合に関しては
「記事全文の中の3分の1以内に収めましょう」
ここだけ抑えておけば、一応は大丈夫、というのが通説となっています

著作権クラスタ、大激怒ですね、これは。どこの通説だよ。「引用は1/3まで」とか「メロディーのパクリは4小節まで」とかは、それ、通説じゃなくて俗説ってやつですよ。

引用については近年その要件の変革*1があるものの古典的には

  1. 既に公表されている著作物であること
  2. 「公正な慣行」に合致すること
  3. 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
  4. 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
  5. カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
  6. 引用を行う「必然性」があること
  7. 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

という要件が言われています。文化庁のリンクも貼っておきます(当然1/3なんて文言はない)。

「著作人格権の侵害」
っていう行為に該当する

”著作人格権”という言葉が何度か出てくるけど、正しくは「著作者人格権」です。

勝手に内容を改ざんしたり、切るべきところで切らずに書き起したりしてる行為は「同一性保持権」や「翻案権」という、ちょっと難しい言い方をするんですけれど、とにかく著作権違反の行為となります。こうなると「引用」は適応されません

これ、著作者人格権の話で出てきてますが、翻案権は著作者人格権じゃないです。また、”勝手に内容を改ざん”や”切るべきところで切らず”が翻案に必ずしも当たらない場合が多いと思います。とくに切り取りについては翻案ではなく「複製」の場合が多いんじゃないでしょうか。複製だともちろん引用による利用はできるので、誤解を生む書き方です。


著作権の資格とは

長谷川豊さんが持ってらっしゃる「著作権の資格」というものが何なのか知っておきたいですねぇ。その資格の証明する著作権理解には、少々警戒が必要かもしれませんので。


●でもね……

書いてることは無茶苦茶に見えても、結論において概ね間違いはないと思うんです。ここでのツッコミは全体かれ見れば重箱の隅をつつくようなことなのかもしれませんね。堀江さんのスピーチはおそらく著作物だし*2、堀江さんのスピーチを堀江さんから許諾を得ずに書き起こしたりネットにアップしたりするのは著作権侵害だし*3、正しく引用できれば無許諾でも著作権侵害にはならないし*4、著作者の意図に反した改変を加える事は著作者人格権の侵害になり得るし*5

講演の書き起こしについては、以前も某書き起こしサイトが無許諾だと本人に突っ込まれたりしており、あまりに簡単に権利を踏みにじったりしている現状も確かにあるわけです。(根拠や説明は間違っているけど)言いたいこと伝えたいことは誤っていないと思います。自戒を込めて。



もはや私は専門職ではないただの著作権フリークなので、専門家が専門家としての矜持で口を差し挟まないようなゲスいところにはむしろ口を出していこうかなというのが、このブログの思うところです。

*1:鑑定証書カラーコピー事件知財高裁判決 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/755/080755_hanrei.pdf

*2:説明が間違ってるけど

*3:説明に誤りが含まれてるけど

*4:説明が間違ってるけど

*5:説明に誤りが含まれてるけど

ゲーム実況動画の公認化が中古ゲーム市場を脅かす

かもしれない。

0,導入

本ブログは「法曹関係者ではない」個人ブログです。趣味の法令解釈であって、正確性は各々で判断してください。


1,ゲーム実況動画の公認化

任天堂は12月1日より、ニコニコ動画の「クリエイター奨励プログラム」に参加する。これにより任天堂タイトルを使った「ゲーム実況」動画をはじめ、「弾いてみた」や「描いてみた」などの二次創作動画が“公認”されることになる。

【速報】ニコニコ動画でついに任天堂タイトルの投稿“公認”へ 対応タイトルは「マリオ」「ゼルダ」「ピクミン」など250本以上 - ねとらぼ

任天堂がゲーム実況動画などの二次創作動画を公認したそうです。

ゲーム実況動画と言えば任天堂よりソニー・コンピュータエンタテインメントSCE)のほうが先進的で、PlayStation®4では『シェア機能』というのがハード的に用意されているそうだ。

あなたがプレイしているゲームを、SHAREボタンひとつで配信できるPS4なら、
プレイヤーが体験している興奮を、世界中の仲間と共有できます。
また、ユーザーがアップロードしたり配信したスクリーンショットやプレイ動画は、
PS4はもちろん、スマホタブレットを通じて閲覧、コメントすることができます。
PS4™シェア機能-SHAREボタンが、あなたと世界をつなぐ | プレイステーション® オフィシャルサイト

PS4のデフォルトの機能でゲーム動画をustreamで中継配信したり、プレイ動画をYoutubeにアップロードしたりすることができるわけだ。そして、このシェア機能の存在が、TVゲームの中古市場を脅かすのではないか、という疑念がある。著作権的な意味で。


2,中古ゲームを巡る著作権の問題

なぜシェア機能が中古ゲーム市場を破壊させかねないかという話の前に、中古ゲームに関する著作権法上の問題について書いてみる。

TVゲームに関しては、著作権法上少々厄介な問題がある。著作権法には著作物についていくつかの例示*1があって、

  • 言語の著作物
  • 美術の著作物
  • 音楽の著作物
  • 映画の著作物
  • 写真の著作物
  • プログラムの著作物

などなど、だ*2

で、まずはTVゲームが何の著作物なのか?というところが問題になった。いや、普通に考えればプログラムの著作物ですよね。私もそう思います。ホント。ところが、いくつかの裁判では原告著作権者がTVゲームを映画の著作物だと主張し、裁判所がこれを認めています。例えばある最高裁判決*3では

なんかが映画の著作物と認定されている。

さて、例示されたいくつもの種類の著作物の中で、映画の著作物だけは特別な規定を持っている。なのでプログラムの著作物ではなく映画の著作物と認められることは非常に大きな意味を持つわけだ。具体的にここでは譲渡に関する規定を取り上げたい。

著作権法では譲渡に関する規定が置かれている。譲渡権(第26条の2)がそれで、譲渡に関する権利を著作権者が専有しているため、著作物の譲渡に際しては原則として著作権者の許諾が必要になる。譲渡とは有償無償を問わず所有権を移転させることなので、自分が持っているマンガやゲームやCDを他人に売ったりあげたりするには原則として著作権者の許諾が必要なはず。ところが、私たちは日常生活でマンガやゲームやCDを他人に譲るときに著作権者からいちいち許諾を得るようなことはしていないですよね。これは著作権法が例外規定を置いていて、一度著作権者から許諾を得て適法に市場に流通された著作物に関しては譲渡権が消え(消尽*4)、著作権者の許諾がなくても譲渡できるから。

ところが!

ここからがアレなんだけど、譲渡権の規定とその例外規定が適用されるのは映画の著作物以外の著作物についてで、映画の著作物はこの規定の適用を受けない。映画の著作物が適用されるのは譲渡権ではなく『頒布権』という権利。頒布権は簡単に言うと譲渡と貸与を一緒くたにしたもので映画の著作物に関しては譲渡であろうと貸与であろうとこの規定が適用される。

そして、頒布権には消尽の規定は存在しない。

そこで、映画の著作物では消費者が購入した映画のDVD*5を他人に譲ったり中古屋に売ったりするのに著作権者の許諾が必要で、許諾なく譲ったり売ったりするのは違法になってしまう、という問題が勃発した。これについて裁判所は

公衆に提示することを目的としない映画の著作物の複製物の譲渡については,当該著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡されたことにより,その目的を達成したものとして消尽し,もはや著作権の効力は,当該複製物を公衆に再譲渡する行為には及ばないものと解すべきである。

として、消尽の規定が存在しない頒布権でも「公衆に提示することを目的としない」場合には消尽するという解釈を示した。


3,シェア機能はマズいんでないの?

映画の著作物と認められたTVゲームの中古販売についても、最高裁は「公衆に提示することを目的としない」場合には消尽するという判決を出している*6。TVゲームを中古売買しても咎められないのは「公衆に提示することを目的としない」からだ。

で、シェア機能だ。

判決は「公衆に提示することを目的としない」場合には消尽するとしか言っていない。シェア機能を備えたTVゲームは、公衆に提示すること目的としていることが明らかなので、もしかするとシェア機能を備えたTVゲームについて消尽が認められない結論が出る可能性も多分にあるかもしれない。

仮に消尽しないとすれば、シェア機能を備えたTVゲームは著作権者の許諾なく他人に譲ったり中古ゲーム屋に売ったりすることはできなくなる。ちなみに、裁判を見る限り、昔からゲーム会社は中古ゲーム売買を敵視しているように私は印象を持っている。ゲーム会社がこの変化に乗じて、再び中古ゲーム市場に対して打って出ることもありうるのではなかろうか。













3,自分なりの検討

A)「公衆に提示することを目的としない」とは

私は専門家ではないので、もちろん確たることなど何一つ言えないのだが、シェア機能が前提として持たれているゲームソフトは「公衆に提示することを目的としない」映画の著作物と言えるのだろうか。映画の著作物が譲渡権や貸与権ではなく頒布権の規定が置かれているのは、映画フィルムの配給制度が前提にあり密接に関係している。つまり、映画館や上映会などで不特定や多数の人に対して上映することを主眼に置いており、また昔は一本のフィルムが映画館を巡回して上映されていたために映画館から映画館に渡るたびに著作権者が金銭を得ることに合理性があっことから、頒布権という形式のものができたと聞く。

そのような趣旨に鑑みれば「公衆に提示することを目的としない」とは、「公衆に提示することを主たる目的としない」と解釈することはできる。もし「公衆に提示することを主たる目的としない」であれば、シェア機能を備えたTVゲームといえどもシェアが主たる目的でなく個人プレイが主目的である以上、消尽すると結論付けることはできそうだ。


B)判例が消尽を認める理屈

消尽に関して裁判所は一貫して特許法に於ける消尽理論を援用している*7。そして、消尽する理屈として以下の3つの事項を挙げていた。

  1. 著作権法による著作権者の権利の保護は,社会公共の利益との調和の下において実現されなければならない
  2. 仮に,著作物又はその複製物について譲渡を行う都度著作権者の許諾を要するということになれば,市場における商品の自由な流通が阻害され,著作物又はその複製物の円滑な流通が妨げられて,かえって著作権者自身の利益を害することになるおそれがあり,ひいては「著作者等の権利の保護を図り,もつて文化の発展に寄与する」(著作権法1条)という著作権法の目的にも反する
  3. 著作権者等が二重に利得を得ることを認める必要性は存在しない

以上の観点から、”公衆に提示することを目的としない映画の著作物の複製物の譲渡”については譲渡権が消尽すると理屈付けているわけだ。

このような観点からは、たとえ公衆に提示すること目的としていることが明らかであっても、市場における商品の円滑な流通を確保するため著作権の効力は再譲渡には及ばないという結論が妥当ではないかと思う。


どちらにしろ、最高裁による判例変更が必要に思えるがどうなのだろう。

*1:著作権法第10条1項各号

*2:ただし、これらは例示であって、必ずしもこれらに該当しなくても”思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの”(著作権法第2条第1号)であれば著作物である

*3:平成14年4月25日最高裁判所第一小法廷判決

*4:”ショウジン”と読む。消尽理論、ファーストセールドクトリンとも言われる

*5:これも映画の著作物

*6:前述平成14年4月25日最高裁判所第一小法廷判決

*7:特許法では法文上に著作権法の譲渡権のような消尽の規定がなく、判例によって消尽を認める理論が確立している

テレビ朝日「みんながカメラマン」の利用規約はそんなに酷いのか?

火中の栗かしら……。


規約のうち問題にされてるのは概ね以下のようだ。

4.テレビ朝日は投稿データを、地域・期間・回数・利用目的・利用方法(放送、モバイルを含むインターネット配信、出版、ビデオグラム化、その他現存し、または将来開発されるあらゆる媒体による利用)・利用態様を問わず、自由に利用し、またテレビ朝日が指定する第三者に利用させることができるものとします。当該利用にかかる対価は無償とします。

5.テレビ朝日テレビ朝日指定の第三者を含みます)は、前項記載の利用のために、投稿データを自由に編集・改変することができるものとします。投稿者はいかなる場合も、投稿者の有する著作者人格権を行使しません。

7.テレビ朝日は、投稿データの利用に関して投稿者に何らかの損害が生じた場合でも、一切の責任を負いません。また投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します。また、投稿データの利用が第三者の権利を侵害したとして、テレビ朝日が損害を被った場合は、これを賠償します。

10.テレビ朝日は本規約を予告なく変更できるものとします。変更後の規約は本サイトに掲示した時点でその効力が生じるものとし、投稿者は変更後の本規約に同意したものとします。

炎上の流れとしては、ブログ記事を着火点にTwitterを経由して2ちゃんねるへ延焼、その後2ちゃんまとめ系サイトを経て再びTwitterという印象。じゃあそのTwitterの利用規約はどうなってるかって気になったので、Twitter利用規約とみんながカメラマンの利用規約を比較してみた*1


1,ライセンスおよびサブライセンス
テレビ朝日

テレビ朝日は投稿データを、地域・期間・回数・利用目的・利用方法(放送、モバイルを含むインターネット配信、出版、ビデオグラム化、その他現存し、または将来開発されるあらゆる媒体による利用)・利用態様を問わず、自由に利用し、またテレビ朝日が指定する第三者に利用させることができるものとします。当該利用にかかる対価は無償とします。

Twitter

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿、表示することをもって、媒体または配布方法(既知のまたは今後開発されるもの)を問わず、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配布するための、世界的な非排他的ライセンスを(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対して無償で許諾するものとします。

ほとんど同じ*2山本一郎氏が”光り輝いている”とおっしゃる「将来開発されるあらゆる媒体による利用」についてもTwitterに同趣旨のカッコ書きがあり、それほど特筆性あるような記述には思えません。

2,編集および改変
テレビ朝日

テレビ朝日テレビ朝日指定の第三者を含みます)は、前項記載の利用のために、投稿データを自由に編集・改変することができるものとします。投稿者はいかなる場合も、投稿者の有する著作者人格権を行使しません。

Twitter

当社は、ユーザーのコンテンツをコンピュータネットワーク上や様々な媒体において送信、表示、もしくは配布するために修正または改変できるものとし、さらに/またはネットワーク、デバイス、サービスまたは媒体の要件もしくは制限に適合させるために、必要に応じてユーザーのコンテンツに変更を加えることができるものとします。

編集と改変については概ね同じと言えますが、著作者人格権の不行使特約が付いている点でテレビ朝日は異なっているように見えます。この点は次のように推察できる。Twitterはアメリカ法を準拠法にしています*3が、アメリカはベルヌ条約に加盟しているにも関わらずアメリカ合衆国著作権法が一部の視覚芸術の著作物に関するもの以外には著作者人格権を扱う規定を設けていないためテキスト投稿サイトだったTwitterでは著作者人格権への手当が不要だったからなのではないかと*4

3,責任
テレビ朝日

テレビ朝日は、投稿データの利用に関して投稿者に何らかの損害が生じた場合でも、一切の責任を負いません。また投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します。また、投稿データの利用が第三者の権利を侵害したとして、テレビ朝日が損害を被った場合は、これを賠償します。

Twitter

ユーザーは、本サービスの利用、投稿したコンテンツのすべておよびこれらによって引き起こされる結果のすべてについて責任を負います。

公的な投稿であるか私的な通信であるかを問わずすべてのコンテンツは、そのコンテンツの作成者が単独で責任を負うものとします。当社は、本サービスを介して投稿されるコンテンツを監視または管理しない場合があり、そのようなコンテンツについて責任を負うことはできません。本サービスを介して投稿されたか、またはユーザーが取得したコンテンツやマテリアルへの依拠またはこれらの使用は、ご自身の責任において行ってください。

Twitter関係者は、(中略)本サービス上の第三者の行為またはコンテンツ(他の利用者や第三者の名誉毀損行為、侮辱的な行為あるいは違法な行為を含みますが、これらに限定されません)(中略)に起因する間接的損害、付随的損害、特別損害、派生的損害、もしくは懲罰的賠償または逸失利益(それが直接的に発生するか間接的に発生するかを問わず)、あるいはデータ、利用可能性もしくはのれんの喪失またはその他の無形的な損害については、適用される法令が認める最大限の範囲で、責任を負わないものとします。

ここが一番紛糾しそうな箇所かなと。特に『投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します』という項目はTwitterや他の規約でもあまり見かけない。これを、テレビ朝日の責任を回避して投稿者に全責任を押し付けているように読む人もいるみたいだけど、第三者とテレビ朝日との法的関係を契約によって投稿者に転嫁することなどできず、これは投稿者が投稿の責任として「解決協力義務」を負う旨を示しただけなのではないかと。

つまりテレビ朝日は投稿者の投稿データをYoutubeのようにそのまま公開するのではなく、取捨選択し、編集し、それを放送するため第一次的にはテレビ朝日がその責任において矢面に立つことを自覚しているからこそ出てくる記述と思う。逆に、取捨選択や編集を介さず主体性を欠くTwitterでは、コンテンツの責任は直接にユーザーであり、ユーザーが全責任を負うからこそこういった項目が必要ないのではないか。

4,規約変更
テレビ朝日

テレビ朝日は本規約を予告なく変更できるものとします。変更後の規約は本サイトに掲示した時点でその効力が生じるものとし、投稿者は変更後の本規約に同意したものとします。

Twitter

当社は、必要に応じて本規約を改定することがありますが、最新版は常にtwitter.com/tosでご覧になれます。実施される改定が、当社の独自の判断において重大であるとされた場合、@Twitter のツイート、またはユーザーのアカウントで登録されたメールアドレス宛てのメールでお知らせします。本規約の改定が発効した後に本サービスへのアクセスまたは本サービスの利用を継続した場合には、改定された本規約に拘束されることに同意したことになります。

Twitterと並べるとTwitterが非常に真っ当な内容ですね。利用の継続が規約変更への同意と擬制される、と。とはいえ、この部分は日本のどのサービスのどの規約を見ても概ね同様なので、切り取って責める場所ではないかと思います。ちなみに、こう書かれてるからといってどのような規約変更をも規約同意者に強いるものではないことは当然です*5


5,ちなみに・・・
はてな利用規約は?
https://www.hatena.ne.jp/rule/rule

本サービスの提供、利用促進及び本サービスの広告・宣伝の目的のために、当社はユーザーが著作権を保有する本サービスへ送信された情報を無償かつ非独占的に以下のような形式で掲載、配布することができ、ユーザーはこれを許諾するものとします。

ユーザーが他人の名誉を毀損した場合、プライバシー権を侵害した場合、著作権法に違反する行為を行った場合その他他人の権利を侵害した場合、当該ユーザーは自身の責任と費用において解決しなければならず、当社は一切の責任を負いません。
ユーザーが開示した情報が原因となって迷惑を受けたとする者が現れた場合には、当該ユーザーは自身の責任と費用において解決しなければならず、当社は一切の責任を負いません。

NHKは?
NHKスクープBOXの利用規約
https://scoopbox.nhk.or.jp/before_upload.html
投稿DO画の利用規約
https://doga2.nhk.or.jp/preupload.jspx?keyword=%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%BE%E6%92%AE%E5%BD%B1%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%9F%E2%80%9D%E3%83%97%E3%83%81%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E2%80%9D%EF%BC%81


6,なぜ炎上したのか考えてみる
炎上したポイントは2つあって、どちらも単体ではおかしくないはずなのにそれが合わさって複合的になったことで人間の感情を煽ってしまったのかなと想像する。2つのポイントとは
・無償提供と広汎な許諾
・放送局の責任転嫁(に見える文言)
特に2つ目が厄介。例えばTwitterならコンテンツの責任は投稿者にあるというスタンスになっている。そこでは、仮に第三者にTwitter社が訴えられたとしても訴えるべきは投稿者だという建前が強く意識されている。ただ、全責任が投稿者にある場合、責任は投稿者が負う旨のみを書けば足りてそれ以上は必要ない。一方で、テレビ朝日の規約では『投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合』を想定しており、それはつまり責任の名宛人になり得ることを前提にしている点に於いて、自社の責任を自覚していることを意味していると読める。文言上は投稿者がテレビ朝日代わって第三者との争訟を解決しなければならないとは書いていない。あたかもそうであるがごとく読んでしまったとすれば、それは恐らく誤読だ。誤読だと指摘することでこのブログも延焼してしまうかもしれないけど、怒るほどおかしい項目ではないと思う*6

この誤読によって、テレビ朝日が全ての責任を投稿者に押し付けて自分たちはノーリスクだと勘違いした結果、嫌儲の感情も発露してしまったのかなと。

例えば、フジテレビが開設している「FNNビデオPost」の利用規約が参考になる。
http://www.videopost.jp/sp/essential.html
内容は非常に端的で分かりやすい。書いてある内容はほとんどテレビ朝日のそれと変わらないはずだけど、これで炎上することはまずないだろう。端的で単純ゆえに細かいところは曖昧だけど、その内容は
・他人の著作権を侵害するな
・無償
・利用するし再利用する
・権利侵害した投稿の責任は負え
でしかないし、リスクとして一番大きいのは剽窃したコンテンツを投稿すること。テレビ朝日は剽窃されたコンテンツが投稿されるリスクについて適切に対応しようとしたが結果、あのようなことになってしまったように思えるのが、どうだろうか。


【追記】
追記するということは、自分の文章力のなさを認めちゃうので恥ずかしい限りなのですが、いくつかのブコメに反応しておきたいと思います。

id:QJV97FCr 編集を経て放送されるテレビとユーザの投稿がそのまま流通するwebサービスを比較する意味がわからない
http://b.hatena.ne.jp/entry/217817521/comment/QJV97FCr

id:megazalrock Twitterは自分で削除できるけど、TVで放送されたら自分で削除できない。その違いはかなり大きいと思うが。
http://b.hatena.ne.jp/entry/217817521/comment/megazalrock

Twitterとみんながカメラマンでは
・ユーザーが投稿する
ところが類似しており
・編集を入れることを当初から予定しているか否か
というところが異なっていると理解しています。そもそもとして、同種のサービスを比較しているつもりはありませんが、異同がある場合にその異同が規約上どのように反映されるかを見るのに意味を見出しています。後半にリンクを置いてある投稿DO画やFNNビデオPostとの比較でも構いませんが、対比が明確なためTwitterを選んでいることもあります。

さて、以上の異同を念頭に置いて、ユーザーが投稿したコンテンツを利用する点で同じであることから、ライセンスやサブライセンスの項目に違いはほとんどないことが確認できるかと思います。一方、異論の多い「責任」の項目でも、あの条項は投稿者に「解決協力義務」を負わせているとの理解を書きました。解決協力義務を投稿者が負う前提は、法的争訟の当事者がテレビ朝日にあることです。Twitterは投稿したものについて責任は投稿者が全て負いTwitter社は関与しない書き方に対して、テレビ朝日は放送内容について責任を負う立場にあることを認める前提で投稿者に解決に協力してる義務を求めてるとの理解が正しければ、より責任が過重なのはTwitter利用規約だということが分かります。つまり編集を入れることを当初から予定しているか否かという部分に関して、テレビ朝日は自己に責任があることを自認していると読み取れることを意味します。

繰り返しになりますが、
・ユーザーが投稿する
ことについて両者は類似しており、それは投稿コンテンツの著作権、ライセンス、サブライセンスの扱いに於いても規定上類似していることが読み取れます。一方、
・編集を入れることを当初から予定しているか否か
について両者は事情を異にしていますが、それは放送/表示に対する責任についてTwitterが投稿者の全責任と規定しているのに対し、テレビ朝日版ではテレビ朝日が異議・請求等の当事者になりうることがある場合を前提に投稿者に解決協力義務を求めている、という規定上の相違点を見出だせます。そして、投稿者の責任が比較的過重なのはテレビ朝日ではなくTwitterだ、すなわち「テレビ局は好き勝手編集するんだから責任あるだろ」という指摘に対しては「もちろんその通り、それが規定上反映されているではないか」と言えるだろう、ということです。

id:MERCY やるかどうかはともかく、好き勝手編集した結果が他人の権利を侵害した場合でも、この規約では投稿者の責任で賠償する必要が有るだろ?編集で意図と逆の心証を持たすなんて簡単だし

id:nakex1 気になるのは賠償の負担を全て投稿者に帰していること。トラブルは著作権だけでなく名誉毀損等でも起こりうる。動画の選定,編集,放送など複数のステップで判断を行いながら全てを求償するのは虫がよすぎるかと。

まず、私がここで言っているのは『賠償の全ての責任を投稿者に負わせているのではない』ということです。想定される具体例を出さなかったのが悪かったのだと思います。では”投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します”とはどういう意味か、それは前述の通り解決協力義務だと私は考えます。そしてどういう場合を想定しているか、有り体に言えば第三者とテレビ朝日の裁判沙汰に投稿者を関与させるためのものだと考えます。最も強い関与としては第三者とテレビ朝日の訴訟に訴訟参加させ三面訴訟を成立させる(1対1ではなく1対1対1の特殊な訴訟形態)パターンから、テレビ朝日側の証人として裁判に出廷するパターンまで関与のパターンはいくつか考えられると思います。そして「責任と費用」が意味するところは、即ち訴訟参加時に必要な裁判費用や弁護士費用、出廷時に出捐される滞在費や交通費などを想定しているのだろうと私は考えました。

第三者とテレビ朝日との争訟上の関係を投稿者がテレビ朝日に代わって受けることなどできない(第三者の不利益でしかなく、そのような不利益をテレビ朝日と投稿者の私的契約で負わせることもできない)ので、ここにあるテレビ朝日の要求に従って解決とはテレビ朝日に立ち代わって解決することを求めるものではないと読むのが合理的でしょう。とはいえ、

id:lastline 誤読だとは思うのだが、それなら最初からFNNのように書いた方が分かりやすいわけで、テレ朝の文言は良くないと思うのだ

という見解については、まぁ否定し得ないかなと思います。

*1:なぜTwitter利用規約を選んだかというと、単に私が一番馴染みのあるよく読んだことのある規約がTwitterのそれだったから、ただそれだけです

*2:無償に反感むき出しにしてるコメントもあるようですが、なんかよくわかんないですね。コンテンツに対するリスペクトが足りないとか、当事者でもないのにJASRACもビックリなコメントもあっておもしろい

*3:本規約およびそれに関連して行われる法的行為は、米国カリフォルニア州法の抵触法に関する規定またはご自身の居住している州もしくは国にかかわらず、米国カリフォルニア州の法に準拠するものとします。本サービスに関連する一切の請求、法的手続または訴訟は、米国カリフォルニア州サンフランシスコ郡の連邦裁判所または州裁判所においてのみ提起されるものとし、ユーザーはこれらの裁判所の管轄権に同意し、不便宜法廷地に関する一切の異議を放棄するものとします。

*4:ただしTwitterが画像投稿をサービスに含み、最近は動画もポストできるようになったのに著作者人格権への手当がないのはどうなの???

*5:当初の規約から大きく外れる内容の変更は再度の同意が必要

*6:一般の投稿者を第三者との争訟に法的に巻き込むことを規約で明らかにしているのは法的リスクの回避としてうまいけど曖昧が好きな人にとってはびっくりするかも

JASRAC「人間の背丈よりも大きいサーバーは、私的利用と認めない」を笑ってる場合じゃない

大型トラックに「藤原とうふ店(自家用)」って書いてたら、
いやいやおかしいだろwww …って思うでしょ。




0,導入
そう、それとこれとは話が違う。でもそれとこれとが違う話だと分かるのは、違うことが分かっているからにすぎない。サーバーとは何かが分かっていて、サーバーの大きさというものがどういう意味か分かっていて、私的利用云々と本来は関係ない尺度であることを分かっているから笑える。

分かってない人には、事の重大さは分かりやすいほうが分かった気にさせやすい。

鼻血が出たことが放射能と結び付けられるように、血液型が性格と結び付けられるように、白血病がワクチン接種と結び付けられるように。

その意味で、正しいか間違っているかではなく、この発言は戦略的に非常に厄介だ。

勘違いしないで欲しいが、私はJASRACを擁護するつもりはない。JASRACの主張を良しとする意図も毛頭ない。

しかし昭和63年以来、JASRACは司法という戦場で、地道に、細かく、緩やかに、かつ強引に判例を蓄積させ、今回の主張が牽強付会と言わせない程度に囲い込みを成功させてきている。


1,私的利用なのに徴収しようとするのはおかしいのか

クラウドサービス、利用者からしてみれば音楽データを他人と共有するわけじゃないんだから「私的利用」だ、と言う。だから、サービス提供者から著作権使用料を取ろうとするのはおかしいだろう!と。金髪の人もそう言ってた。

https://twitter.com/tsuda/status/491761497698074624

しかし、利用の主体を拡張し続けてきた「カラオケ法理」という理屈、その始まりからして著作物の直接の利用者は非侵害だったではないか。

カラオケ法理とはなにか。昔、クラブ・キャッツアイというスナックがあった。そのスナックにはカラオケマシンが置いてあり、客はこれを使ってカラオケを楽しめた。カラオケ機による伴奏の演奏、それから客の歌唱、これらはどちらも著作権法が第38条に規定する通り、営利を目的としない上演等は権利者の許諾なくできる。客は営利を目的としてカラオケを歌ってるわけではないので権利者の許諾は必要ないし著作権使用料も払わなくていいはずだ。それに異を唱えたのがJASRAC

結局、最高裁

カラオケ装置と、被上告人が著作権者から著作権ないしその支分権たる演奏権等の信託的譲渡を受けて管理する音楽著作物たる楽曲が録音されたカラオケテープとを備え置き、ホステス等従業員においてカラオケ装置を操作し、客に曲目の索引リストとマイクを渡して歌唱を勧め、客の選択した曲目のカラオケテープの再生による演奏を伴奏として他の客の面前で歌唱させ、また、しばしばホステス等にも客とともにあるいは単独で歌唱させ、もつて店の雰囲気作りをし、客の来集を図つて利益をあげることを意図していたというのであり、かかる事実関係のもとにおいては、ホステス等が歌唱する場合はもちろん、客が歌唱する場合を含めて、演奏(歌唱)という形態による当該音楽著作物の利用主体は上告人らであり、かつ、その演奏は営利を目的として公にされたものであるというべき

として、カラオケを演奏してるのもカラオケを歌ってるのも営利を目的としたスナック店だ、と判断している。

利用者は合法じゃないか!という抗弁は昭和63年で既に瓦解している。

そこにダメ押しを打ってきたのが「まねきTV事件」と「ロクラク事件」だ*1

まねきTVは、ネットワークを通して遠隔地でテレビを視聴できるようにしていたが、そこで使用されていた機器(ロケフリ)は利用者のもので、かつその機器と利用者は1対1の関係であったにも関わらず、全体として公衆に送信しているとしてサービス提供者を違法とした。

ロクラクはまねきTVのロケフリに近いが、こちらは録画機能があり、録画した映像をネットワークを通して遠隔地で視聴できるようにしたもの。これについて最高裁は以下のように述べている。

複製の主体の判断に当たっては,複製の対象,方法,複製への関与の内容,程度等の諸要素を考慮して,誰が当該著作物の複製をしているといえるかを判断するのが相当であるところ,上記の場合,サービス提供者は,単に複製を容易にするための環境等を整備しているにとどまらず,その管理,支配下において,放送を受信して複製機器に対して放送番組等に係る情報を入力するという,複製機器を用いた放送番組等の複製の実現における枢要な行為をしており,複製時におけるサービス提供者の上記各行為がなければ,当該サービスの利用者が録画の指示をしても,放送番組等の複製をすることはおよそ不可能なのであり,サービス提供者を複製の主体というに十分であるからである。

注意すべきはこの理屈は全て「放送番組等」の複製について述べているのであって、それ以外のクラウドストレージサービス(ひいてはサーバ業務全般)にこの理屈がそのまま使われるわけではないだろいうということ。しかし、自炊代行業に対する最近の地裁判決で『枢要な行為』は用いられている。音楽専用クラウドサービスがこの理屈の射程に入る可能性は高いのではないだろうか。Dropboxなどの汎用型のクラウドストレージサービスまでは、もう一歩という感じですらある。


2,暴論はそれが狙いなのか

JASRACもその辺りは織り込み済みなのではないだろうか。音楽専用クラウドサービスに包括契約が必要なのは、もはや当然として、しかし汎用型の音楽以外の利用がなされているDropboxなどの汎用型クラウドストレージサービスにまで包括契約結べっていうのは無茶だ。加えて中身を確認しろ*2というのも通信の秘密から言って無理な話だ。それじゃあ仕方ない、仕方ないから

補償金で手を打とう

という着地点まで見据えての暴論でしょ。


じゃあどうしたらいいのか。正直分からない。少なくともクラウドストレージから使用料や補償金を徴収できるようにしたって「文化の発展に寄与」しないことは確かだろう。それを含め、多くの人に著作権法というものがどういうものか知ってほしい。JASRACがどういう組織か知ってほしい。JASRACの主張は確かにおかしいことも多い。しかし業務自体は私たちに大きな恩恵をもたらしているのも事実。批判すべきところは批判すべきだろうが、JASRACだからというだけで短絡的に全て批判する姿勢は、思考停止に等しいと知ってほしいものだ。

*1:どちらもJASRACが原告ではないが

*2:https://twitter.com/tsuda/status/491759500563464192

うれぴあで弁護士の著作権解説がどう考えてもおかしい件

0,導入

うれぴあ総研というぴあが運営する情報サイトで『【著作権】どこからNG?「歌ってみた&踊ってみた動画」の違法ラインを弁護士が解説』という記事が配信されていた。

動画配信サイトにおける「歌ってみた」「踊ってみた」動画で、たびたび議論される『著作権』の問題。法律的に何がセーフで、何がアウトになの? 弁護士にその真偽を聞いた。

【著作権】どこからNG?「歌ってみた&踊ってみた動画」の違法ラインを弁護士が解説(1/4) - ウレぴあ総研

私も期待して読みに行った。というのも、最近は福井健策先生がCNETで『18歳からの著作権入門』シリーズを連載していたり、ネットにおける著作権との付き合い方を解説した記事がいくつも出てくるようになっていて、嬉しい傾向だなぁと思っていたからだ。しかししかししかし、読んでみて驚いた。これはひどい……と。

ホントに弁護士に話を聞いたのか?!

というレベルに酷い。メチャクチャじゃないか。


1,前提

”動画配信サイトにおける「歌ってみた」「踊ってみた」動画”という括りで著作権法上関係がありそうな権利は

の5種類が主だったところだろうと思う。簡単に説明すると、録画や録音する行為は「複製」、音源を再生したり自分で弾いたり奏でたり歌ったりする行為は「演奏」、振り付けをマネして踊ったりする行為は「上演」、ネットに配信するのが「公衆送信」、編曲したりアレンジをするのが「翻案」といった具合だ。つまり

  • 歌ってみた ←演奏
  • 踊ってみた ←上演
  • 動画 ←複製
  • 動画配信 ←公衆送信

という具合にそれぞれの行為を分けることができる。

そしてこの全ての行為が「著作権法上問題ない」場合に限って、権利者の許諾なくしても大丈夫という結論になる。ところがこの記事ではいろいろとおかしい。


2,私的複製の理解がおかしい

個人使用の範囲という捉えられる可能性はあります。じつは、著作権には、例外的に規定されている「私的使用のための制限」が設けられています。
第五款の第三十条には、「個人的に又は家庭内その他これらに準ずる限られた範囲内において使用する」場合には、複製が認められているんですね。ただその先で、問題としては『投稿』という行為が当てはまるかどうかですが、直接、著作権を侵害しているとは言いがたいかもしれません。

いわゆる「私的複製」というやつです。これは文字通り「複製」に関する例外事由です。私的な複製行為については権利者の許諾が不要というもの。ここでいう複製とは、まさに動画を撮影すること。歌う行為は演奏で踊る行為は上演だけど、歌や踊りを撮影することは「複製」になる。で、撮影することを個人的に私的にするぶんには誰にも文句言われないのが私的複製。カラオケの練習で自分の歌声を録音してチェックしても誰も文句言わない。

問題は『投稿』が私的複製に当てはまるか判断しようとしていること。投稿とはつまり動画配信サイトのサーバーにアップロードする行為だ。アップロード自体は確かに複製だろう。しかしその動画が第三者からも見られる状態であれば、それは同時に『送信可能化』に当たるだろう。送信可能化とは公衆送信の一部で、実際に公衆に対して送信していなくても公衆に送信できる状態をいう。つまり公開サーバーに動画をアップロードするだけで公衆送信権を侵害しうる。そして、私的複製は公衆送信には適用されない*1

さらに

歌っていたり踊っていたりする動画を何らかのメディアに焼くなどして販売する。つまり、利益を得てしまえば法律にふれる可能性はあります。

私的か否かの判断を利益の有無を判断基準に上げてます。これは斬新。斬新というか、利益の有無を基準にするのはフェアユースの論理に似ていますが、日本ではフェアユースは導入されていないので、独自解釈じゃないかと。もしかすると以下で挙げられる『営利を目的としない上演等』と混同しているかもと善意に解釈することもできるけど……。

それから

配信サイトでただその動画を配信するというだけならば、それぞれの個人が自宅などでやっているかぎりでは問題にならない

ここに至ってはもはや
    ィ";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙t,
     彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
     イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r''ソ~ヾ:;;;;;;゙i,
     t;;;;;;;リ~`゙ヾ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ    i,;;;;;;!
     ゙i,;;;;t    ヾ-‐''"~´_,,.ィ"゙  ヾ;;f^!   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ト.;;;;;》  =ニー-彡ニ''"~´,,...,,.  レ')l. < おまえは何を言っているんだ
     t゙ヾ;l   __,, .. ,,_   ,.テ:ro=r''"゙ !.f'l.   \____________
      ヽ.ヽ ー=rtσフ= ;  ('"^'=''′  リノ  
    ,,.. -‐ゝ.>、 `゙゙゙゙´ ,'  ヽ   . : :! /
 ~´ : : : : : `ヽ:.    ,rf :. . :.: j 、 . : : ト、.、
 : : : : : : : : : : ヽ、  /. .゙ー:、_,.r'゙: :ヽ. : :/ ヽ\、 
  :f: r: : : : : : : : !丶  r-、=一=''チ^  ,/   !:: : :`丶、_
  : /: : : : : : : : :! ヽ、  ゙ ''' ''¨´  /   ,i: : : l!: : : : :`ヽ、
 〃: :j: : : : : : : ゙i   `ヽ、..,,__,, :ィ"::   ,ノ:: : : : : : : : : : : :\
 ノ: : : : : : : : : : :丶   : : ::::::::: : : :   /: : : : : : : : : : : : : : : :\


3,歌唱の理解がおかしい

アカペラについて記事では

少なくとも、作詞の部分にはふれると思います。音源が流れていないぶん、作曲の部分に引っかかっているというのは判断しづらいですね。

と書かれている。アカペラというのは歌詞の朗読ではないですよね。楽器の伴奏によらず、歌唱のみでメロディと歌詞を表現するものだと思うのですが??? ウィキペディアには”無伴奏で合唱・重唱を行うこと”とありますね。とにかく、メロディを奏でる以上、当然に作曲部分に引っかかる。


4,営利を目的としない上演等の理解がおかしい

利益を目的としない場合には、第三十八条に規定される『営利を目的としない上演等』にかかる可能性が強いため、配信自体は現状、違法とされたケースはほぼありません

非営利の行為について著作権法は一部の権利について権利者の許諾を不要としている。それが38条で、主だったところでは1項の上演、演奏、上映、口述と、4項の貸与だ。動画配信は公衆送信のため一部の例外を除いて38条の適用を受けない。非営利ならコンテンツをネットに流してもいいっていうなら、P2Pで映画を放流して捕まったり、サーバーにマンガのファイルを置いて逮捕されたりする人はでないわけだが、もちろんそんなわけもない。


5,もうすこし正しい解説を

大前提として、歌ってみたや踊ってみたを動画配信する場合に利用される配信サービスはYoutubeニコニコ動画がほとんどだろう。両サービスともに、国内の音楽著作権管理事業者(JASRACとか)と包括で利用許諾契約をしている。そのため多くの場合、楽曲の利用はユーザーがいちいち許諾を取らなくても大丈夫な体制が整っている。ただし、楽曲と音源は異なり、音源の利用は許諾されないので注意しなくちゃいけない。

歌ってみたについては、歌うぶんには全く問題がない場合が多い。それは配信サービスが包括契約を結んでいるから。ただし、カラオケとして既存の音源(例えばCDのカラオケバージョン)を使う場合、その音源の「原盤権」をレコード会社等が持っているので、原盤権者の許諾なく動画配信してしまうとアウトだ。

踊ってみたについては、振り付けにも著作権が発生し、振付師が著作者となる。振り付けの著作権が振付師に帰属するのかレコード会社に帰属するのかそれともそれ以外のところに帰属するのか不明だが、許諾を得ないことには真っ白とは言いがたいので注意すべきだろう。

以下は記事のケースに従って検討してみる<ケース1> カラオケの音源を元に「歌ってみた」動画を配信

一般的にカラオケ店は、店舗の利用料金へ著作権に関わる使用料が加算されているので、あくまでも『個人が歌っている』のみならば問題はない

カラオケ店が得ている許諾は動画配信とは全く関係ないので、この理解は全くの間違いと思う。さらに、カラオケ店で使われるカラオケ音源はカラオケ配信業者のオリジナルの場合がほとんどなので、カラオケ配信業者から原盤権利用の許諾を得ないとアウトになる。<ケース2> 楽器を使用した弾き語り
包括契約を結んでいる動画配信サービスを利用する場合は、問題ない*2。<ケース3> アカペラで歌う
ケース2と同様<ケース4>音源を流しながらまったく異なる歌詞で歌う
音源を使ってるなら原盤権利用の許諾を得ないとアウトになる。



6,おしまい

弁護士が変なのか記事にまとめた記者が変なのかわからないけど



 ___
/ || ̄ ̄|| ∧_∧

..... __ (     )  どうしてこうなった・・・
 ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
      ( ./     /

 ___

*1:そもそも公衆に対する送信が私的なわけがない

*2:翻案については考えない