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@sophizm の上から涙目線

著作権法の勉強会を開催して思ったことと反省点。

0,導入

夏くらいから初心者向けに著作権の勉強会を主催しています。対象は、全く著作権法に触れたことがないけど、興味は持ってるって人。全三回で開催した勉強会が一段落したので小括してみようと思います。



1,キッカケ

キッカケは、6月に改正された著作権法で、違法ダウンロードに刑罰が科されることが確実になったから。著作権というのは、極めて生活に密接した法律だと思います。特にネットを使っている以上、これと触れずにいられることなどありえません。けれども、その接近の具合も意識されないまま規制が私生活に及ぼうとしている以上、それを放置してしまうのは一般人にとって極めてリスキーだと思うのです。また、ニコ動やyoutube、それにpixivなどのコンテンツ共有サービスではアーティストやクリエイターとユーザーの境界が曖昧で、二次利用も極めて曖昧になされている現状が、実は法的に危うい場合があるため最低限の知識でも身に着けておけば非商用のコンテンツ界隈がより健全にかつ活発に発展できるのではないか、と考えたためです。



2,勉強会の方法

とはいえ、私は著作権法の研究職に従事していたわけでも教職を経験しているわけでもないので、会を主催するについては気をつけなければならないことがいくつかありました。知識の内容は基礎的なところのみを対象としているためにさほど問題ではありません。しかし、それに対する評価や教え方というのは、ともすると思想的なものを含むため、ある程度慎重にしなければならないところです。そこで、今回の勉強会は文化庁が公開している著作権法のテキストを用いました。これはネットにpdfとして公開されているため無償で手に入れることができます。文化庁のテキストから離れないように気をつければ、思想的に偏ったものを仕込んでしまう可能性を和らげることができるはずです。また、参加者の負担を高めることは参加へのハードルを上げてしまう恐れもあったの、この方法を採りました。

文化庁のテキストは薄いので、該当箇所を一度読んでから参加してもらう形にしました。その場で読んでも構わないとは思いましたが、一度頭に入れておいてもらい、疑問などの当日に共有するようにしたかったからです。そして、当日はテキストにある内容を著作権法の「条文」に従って確認し、疑問や代表的な裁判所の判断を提供して、法律の中身を形作るようにしました。


3,反省点

全三回で、第一回の範囲を「著作者、著作物」、第二回を「著作権著作権の制限」、第三回を「保護期間、救済方法、判例」と区分けして行いました。が、しかし、詰め込みすぎた感があったと思います。あくまで基本的な部分のみを伝えるつもりでしたが、それでも少し厚みがあったと思います。もう少し表層的な部分に押しとどめる必要があるかもしれません。


4,改善方法

初心者向けの勉強会は繰り返し繰り返し行なっていきたいと考えています。微力ながら、多くの人の役に立てるように活動していきたいです。上記の反省点は次回で改善したいと考えています。さしあたって、次回からはテーマを決めて、そのテーマに沿った内容で会を開きたいと思います。例えば「音楽」と著作権法の関係であったり、「イラスト」と著作権法の関係であったり、「映画」と著作権法の関係であったりです。音楽をテーマにした場合、本筋では上映権や頒布権などの著作支分権は関係ないので、ざっくりと捨てちゃって必要な範囲で取り上げる形にできるかと思います。


5,判例勉強会

初心者向けの勉強会と並行して、判例の勉強会も開始しています。こちらは、最近の判例をキャッチアップできるようにすることが最終目標で、いまはそのための事前知識をつけるための基本的な判例を扱っています。


6,次回のお知らせ

次は年明けに二回目の初心者向け勉強会(第一回)を開催する予定です。日程は以下のとおり。もし少しでも興味が有るってかたは@sophizm宛に連絡いただければと思います。よろしくおねがいします。
・日付:1月20日
・場所:麹町
・テーマ:音楽